2026年6月6日(土)、道頓堀エリアにて、一般社団法人でんでん及びアインスタインエステート株式会社代表の山田さん主催の「タニマッチ・車いす体験」イベントが開催されました。
これは昨年、天満橋〜谷町四丁目エリアで2回開催された「タニマッチ・車いす体験イベント」に続く、第3回目の開催となるイベントです。


今回の会場は、道頓堀にある「パセラリゾーツ なんば道頓堀店」。昨年までとはエリアを変え、道頓堀というより多くの人が行き交う街を舞台に、車いす体験を通して「誰もが暮らしやすいまち」について考える一日となりました。
今回もTSUNAGuuuスタッフが協力・参加してきましたので、当日の様子をレポートします。

イベント開催の数日前までは台風の影響もあり、天候が心配されていましたが、当日はその心配が嘘のような青空に恵まれました。絶好のイベント日和となり、参加者の皆さんも笑顔で会場に集まり、和やかな雰囲気の中でイベントがスタートしました。
イベントでは、参加者がグループに分かれ、実際に車いすへ乗って道頓堀の街へ出発。飲食店やコンビニ、施設などに立ち寄りながら、各チームに与えられたミッションに挑戦する体験型ワークイベントです。
車いすユーザーの目線でまちを歩くことで、普段は見過ごしてしまいがちなバリアや、まちの中にあるさまざまな配慮に気づくことを目的としています。
まずはチームごとに名前を決めよう!
参加者は7〜8名ずつ、A〜Eの5チームに分かれてスタート。あえて初対面同士になるようにチームが編成されており、新しい交流が生まれる工夫がされています。そして、各チームには実際に車いすを利用されている方が1名ずつ加わり、一緒に行動しながら体験を進めていきます。

今回の参加者は、主婦の方や経営者、学生、小学生など実にさまざま。世代も職業も異なるメンバーが集まる中、最初のミッションはチーム名を決めることでした。
ルールは、「A〜E、それぞれのアルファベットから始まるチーム名にすること」。メンバー同士でアイデアを出し合いながら話し合いが進み、「ブラボーチーム」や「出会いチーム」など、個性あふれるチーム名が次々と誕生しました。

「どんな名前にしよう?」「それ、いいね!」と自然と会話も弾み、最初は少し緊張していた参加者同士も、気がつけば笑顔に。これから一緒に一日を過ごす仲間として、一気に距離が縮まったようでした。
車いすの乗り方を教わろう!


街へ出る前に、まずは車いすの基本的な操作方法や安全な乗り方についてレクチャーを受けます。
講師を務めたのは、車いすに関する新商品の開発にも携わっている吉本さん。車いすの特徴や操作時のポイント、介助する際の注意点などを、実演を交えながら分かりやすく教えていただきました。
参加者の多くは車いすに乗るのが初めてということもあり、皆さん真剣な表情で説明に耳を傾けます。基本操作を一通り学んだあとは、いよいよ車いすに街中へ出発です!
車いすに乗ってミッションをクリアしよう!
コースは全部で5パターンあり、1コース1チーム。各コースにはミッションが3つ用意されていて、1チーム2台の車いすを参加者が交代で乗り体験します。





今回の開催地となったのは、多くの観光客で賑わう道頓堀エリア。昨年開催された、マンション・オフィス街が広がる天満橋〜谷町四丁目エリアとは異なり、国内外から多くの人が訪れる観光地ならではの環境で車いすでの移動を体験しました。
歩道の広さや人の流れ、店舗への入りやすさなど、エリアが変わることで新たな気づきが数多く生まれます。



特に、人通りの多い場所では周囲の人との距離や動きを常に気にしながら進む必要があり、「ぶつからないように」「通行の妨げにならないように」と気を配り続けることで、身体的な負担だけでなく精神的な疲れも感じたという参加者の声が印象的でした。
過去のイベントにも参加された方からは、
「道頓堀は道幅が狭いうえに人通りも多く、周囲に気を配りながら進む必要があったので、前回とはまた違った大変さがありました。」
という声も聞かれ、同じ車いす体験でも、歩く街が変わるだけで見えてくる課題や気づきが大きく異なることを実感しました。


また、大阪メトロを利用したチームでは、ホームと車両の隙間や段差が少なく整備されており、駅員さんの補助がなくてもスムーズに乗車でき、参加者からは、「バリアフリーへの取り組みが着実に進んでいることを実感した」という声も聞かれました。


多目的トイレや店舗への出入りなど、普段は意識することの少ない設備や動線についても実際に体験。利用者の目線に立って初めて見えてくる工夫や課題に触れ、「体験してみないと分からないことばかりだった」という感想が多く寄せられました。


車いすで実際に街を歩くことで、設備だけでなく、人の流れや街の雰囲気など、普段は意識しないさまざまなことに目を向けるきっかけとなったようです。
懇親会・ランチ
体験を終えて会場へ戻ると、お待ちかねのランチと懇親会の時間。
普段とは違う環境で車いすを体験したこともあり、「思った以上に体力を使った!」という声も聞かれ、皆さんお腹はぺこぺこ。この日はビュッフェ形式のランチが用意され、参加者同士で体験を振り返りながら、和やかな時間を過ごしました。
歓談がひと段落した頃には、 「誰もが働けて、誰もが楽しめる場づくり」をテーマに掲げるユニバーサルレストラン「ル・クロ」のオーナーシェフの黒岩さんと車いすユーザーの牧野さんからお話を伺う時間も設けられました。

「ル・クロ」を始めたきっかけや、障がいの有無に関わらず、それぞれが自分らしく活躍できる環境づくりへの想いについてお話しいただきました。

牧野さんからは、今回の車いす体験を振り返りながら、実際に車いすで生活する中で感じることや、「こんな配慮があると嬉しい」と思う場面についてお話しいただきました。参加者は、自分たちが体験したことと重ね合わせながら、熱心に耳を傾けていました。
気づきのWORK
お腹も満たされたところで、各チームで車いすの体験を通して感じた気づきのWORKを実施。

- 「人通りが多く、周囲に気を配りながら移動することの大変さを実感した」
- 「都会のコンビニは通路が狭く、車いすでの買い物は想像以上に難しかった」
- 「同じ街でも車いすに乗ると景色がまったく違って見えた」
など、体験を通じた“リアルな気づき”が次々と共有されました。
チームごとに発表
各チームで話し合った内容は、代表者が前に立って発表しました。
同じイベントに参加していても、歩いたコースや体験したミッションによって感じたことはさまざま。「人通りの多さが印象に残った」「店舗の入りやすさが場所によって違った」など、それぞれのチームならではの気づきが共有されました。


車いすユーザーからもコメントもあり、実際に日常生活を送る立場からの意見を聞くことで、参加者の理解がさらに深まる時間となりました。
今回のイベントを通して

今回のイベントでは、車いすに乗って道頓堀の街を歩くだけでなく、参加者同士で感じたことを共有し、車いすユーザーの皆さんから直接お話を伺うことで、多くの学びや気づきを得ることができました。
普段何気なく利用している道やお店、駅なども、視点が変わることでまったく違った景色に見えてきます。実際に体験したからこそ、「知っているつもり」と「本当に理解すること」の違いを感じた参加者も多かったようです。
年齢や職業、立場の異なる人たちが一緒に街を歩き、感じたことを語り合うことで、それぞれが新たな視点を持ち帰る一日となりました。
今回のイベントが、誰もが安心して暮らせるまちについて考え、身近なことから行動してみようと思うきっかけになれば嬉しいですね。
※参加者の写真掲載はイベント当日に許可をとっておりますが、万が一何かありましたらお問い合わせフォームよりご連絡ください。



