それは、ようやくお正月気分が抜けた1月末のこと。おさんぽの友のインスタアカウントに一通のメッセージが。
「あ、ルイスさん」
7・8年前、友人を通して一度だけお会いしたことのある浅香保ルイス龍太さんからでした。その時にFacebookでつながって、それからずーっとルイスさんの投稿を見ていたので、私はすっかり知っている人のつもり。なので、よそよそしいメッセージにちょっと寂しい思いをしたのですが、思えば、お会いしたのはインドの美しい絵本を愛でる会で、しかも私は遅刻。おさんぽの友の話はしていないかも。
メッセージは取材依頼。ルイスさんが編集する北区のフリーマガジン『ついまぶ』のコラムでおさんぽの友を取り上げてくださるとのこと。『ついまぶ』はゴリゴリ硬派な雰囲気のフリーマガジン。着眼点がとにかくユニークで面白くて、大好きなメディアのひとつです。そこに取り上げていただけるなんて光栄。しかも、地図学者さんが話を聞いてくださるというではないですか!地図好きとして、地図についてのあれこれを思い切りぶつけたいなぁとワクワク。
さて、私の本棚には秘蔵の(?)地図があるのですが。15~20年くらい前の、私的に作られた天満橋~谷4界隈の地図で、街歩きガイドをされていた方やコミュニティ拠点を作っていらした方からもらったものです。すでになくなった伝説店もあれば、今も変わらぬ人気店も記載されていて、それに今のまちを重ねると、時の流れが見えてくるようでとても面白いのです。そんな話もしたいなぁと、それらを本棚からひっぱり出して取材に備えました。
取材当日、場所は扇町の談話室マチソワ。
話の始めに見せていただいたのは、インタビューアーで地図学者の松岡さんが院生時代に作られたという天満の古書店マップ。これが15年前のもの。その頃の職場が南森町だったので、思い出がわっとよみがえりました。と同時に、15年も経つとお店のラインアップも変わっているだろうな、久しぶりに歩いてみたいな~という気持ちも沸いてきました。私の秘蔵地図もしかり、古い情報でも人の気持ちや行動に影響を与える。こんなことはグーグルマップでは起こりえないですよね?紙の地図ってすごい!
初手からヒートアップで、この後の盛り上がりは言わずもがな。当日の熱気は『ついまぶ』紙面から感じてください!取材していただいたコラム『北区マップ考現学』は2025年5月号、13ページに掲載されています。メイン特集は『北区の社会福祉』。これまた深くて、濃くて、読みごたえあり。
地図好きさんには、インタビューアー松岡さんのご著書「グーグルマップの社会学 ググられる地図の正体」もオススメです。
