去る6月18日(水)、EXPO2025のメインホール「シャインハット」で山本能楽堂さんによる創作能「水の輪」の公演があり、見に行ってきました。

古典的な舞や衣装はとても美しく、万博のテーマ事業プロデューサー中島ちさ子さん率いる民族楽器バンド「KURAGE band」や子どもたちとのコラボは分かりやすく、面白く。クライマックスの地謡は観客も一緒にと、観客を巻き込む演出は、自分も舞台を作る一員になったようでとても良かったです。
この「謡を一緒にうたう」ということ。天満橋・谷4界隈には、なじみのある方もいらっしゃるのでは?中大江公園での桜まつりでの能でも、舞の前に「ちょっと一緒にうたってみましょう」と言ってくださいますよね。古い日本語だから分からなくて当たり前、でも、日本語だから口に出してみるとなんとなく分かるような、やっぱり分からないような・・・。それでも、口伝えで伝えられてきた日本の伝統が自分の中に入ってくるような気がして、私は好きです。
今回、万博の公演では山本能楽堂の近くということで、中大江小学校と南大江小学校の6年生が地謡隊として参加していました。「一緒にうたいましょう」と言われても、やっぱりちょっと恥ずかしいような、遠慮しちゃうような。そんな観客をリードして謡ってくれました。事前に山本能楽堂さんを訪ねて、お稽古もしていたそうです。国の登録有形文化財である能楽堂に入るだけでも良い経験。そこで謡のお稽古をして、万博に参加するなんて、すばらしい経験だと思います。
よくわからないと思った子もいるでしょうし、万博での公演の後半では、飽きたようにもぞもぞきょろきょろと動いている子どもたちも多かったです(笑)でも、肌で何かを感じて、心に何かを残しているに違いありません。
なんて、詳しい人のように語っていますが、私が能を見たのは中大江公園の桜まつりが初めてです。緩慢で退屈なイメージを持っていた能ですが、生でみると直感的に美しくて、カッコよくて、面白くて、魅了されました。
桜まつりや今回の万博での能の他にも、山本能楽堂さんでは能を気軽に楽しめるさまざまな催しをされています。初心者向けの公演や能や能面の解説や能体験のワークショップなど。ちょうど今、6月21日(土)~6月29日(日)は能楽堂の特別公開をされていて、予約不要、無料で見学できます。
能楽堂へ足を運ぶのはまだちょっと、という方は山本能楽堂さんのHPから、能の解説アニメ動画や能をテーマにしたゲームアプリをチェック。(能面の神経衰弱ゲーム、ハマります)この機会に能に触れてみませんか?

