天満橋・谷四で開催された「第2回 タニマッチ・車いす体験イベント」をレポート!

2025年11月22日(土)、天満橋〜谷町四丁目エリアで、「第2回 タニマッチ・車いす体験イベント」が開催されました。

主催は、前回に引き続き一般社団法人でんでん、そして株式会社アインスタインエステート代表の山田さん。「この取り組みを続けたい」「もっと多くの人に知ってほしい」——そんな想いが重なり合い、第2回が実現しました。

会場は、谷町2丁目にあるユニバーサルレストラン ル・クロ・ド・マリアージュ さん。車いすユーザーの方も働かれ、誰もが安心して食事できる空間として知られる場所です。

今回もTSUNAGuuuスタッフも協力・参加してきましたので、イベントの様子をレポートします!

イベントは、参加者がグループに分かれて車いすに乗り、街中を歩いて飲食店や施設に立ち寄り、与えられたミッションをクリアする体験型ワークイベント。

車いすユーザーの目線でまちを歩き、バリアや配慮の視点に気づくことを目的としています。

目次

チームづくりからスタート!

参加者は、地域の方や学生、親子連れ、企業関係者など幅広く、今回も多様な人が集まりました。

参加者は6〜7名ずつ、「い・ろ・は・に」の4チームに分かれました。各チームには実際の車いすユーザーさんが1名ずつ参加し、リアルな視点や経験を共有していただく形となりました。

あえて初対面同士になるようにチーム分けされており、自然に交流が生まれる工夫が取り入れられています。さらに、各チームには実際の車いすユーザーさんが1名ずつ参加し、リアルな視点や経験を共有していただく形となりました。

車いす操作の基礎を学ぶ!

車いすに乗ったことがない人も参加されているので、車いすの乗り方に詳しい社会福祉協議会の石井さんにレクチャーをしていただきました。

ブレーキの使い方、基礎の使い方、車いすの操作方法や注意点を詳しく教えていただきました。乗る側・押す側のどちらにとっても大切なポイントが多く、参加者は真剣に耳を傾けていました。

車いすの乗り方をレクチャーする石井さん

ざっと車いすの操作についてのレクチャーを受けたあと、実際乗ってみないと分からないということで、早速街中での体験に出発していきました!

車いすに乗ってミッションをクリアしよう!

コースは全部で4パターンあり、各コースにはミッションが3つ用意されていて、1チーム2台の車いすを参加者が交代で乗り体験します。

街へ出て進み始めると、参加者の多くがまず感じたのは「スピード感の変化」でした。歩いているときは何気なく通り過ぎる場所も、車いすでは一つひとつ確認しながら進む必要があります。

舗装の状態や道路の幅、目の前を行き交う人の動き。それらすべてが「気にしなくてはいけない要素」へと変わり、参加者は自然と慎重な動きになっていきます。

進みながら、誰かと声を掛け合う場面も増えました。

「ここ通れる?」
「少し右に寄ると進みやすいかも」
「次曲がるよ、準備いい?」

これまで当たり前にできていた移動が、**チームで相談しながら進む“共同作業”**に変わっていく様子が印象的でした。

また、ルート選択にも思わぬポイントが存在します。距離が短い道が必ずしも「進みやすい道」ではなく、むしろ遠回りのほうが安全に進めることもあります。

体験を通して、参加者の皆さんからは、今までとは違う視点が芽生えていく様子が感じられました。


懇親会・ランチ

体験を終えて席に戻ると、どこか安心した表情に。思っていた以上に体を使ったからか、みなさん自然とリラックスした様子でした。

少しすると、ル・クロさんの自家製ハンバーグが運ばれてきます。ふわっと香る湯気に「おいしそう…」という声があがり、ひと口食べた瞬間、笑顔が広がりました。

そしてランチを食べながら、パリ2024パラリンピック パラカヌー日本代表・髙木裕太選手と、大阪・関西万博でスタッフとして活動された牧野さんからお話を伺いました。

髙木選手からは、パラスポーツに挑戦するまでの経緯や競技に向き合う想い、そして車いすで生活する中で感じていることなど、実体験に基づいた言葉が語られました。

牧野さんからは、大阪・関西万博の現場で働く中で見えてきたリアルな課題や、誰もが利用しやすい環境づくりについてのお話があり、「なるほど」「確かにそうだよね」といった声が自然と参加者から漏れる場面もありました。

気づきのWORK

ランチのあとは、各チームごとに体験のふり返りワークへ。
実際に体を動かしたあとだからこそ生まれる気づきや感情を言葉にしていきました。

「思っていた以上に腕の力が必要だった」
「目線が変わると、景色も、人との距離感も普段と全然違う」
「周りの人の声かけや配慮があるだけで、安心感が全然違った」

など、一人ひとりの視点や経験が共有され、テーブルごとに会話が深まっていく様子が印象的でした。
同じ体験でも、感じること・気づくポイントが違うからこそ、互いの話が学びとなり、少しずつ理解が広がっていく時間になりました。

チームごとに発表

最後は、チームごとに出た意見を代表者が発表する時間に。

「段差や傾斜があると、ほんの数メートルの移動でも負担が大きい」
「周囲のちょっとした声かけやサポートがあるだけで安心できる」
「“できない”ではなく“どうすればできるか”を考える視点が必要だと感じた」

など、体験から生まれた気づきや視点が共有されました。

どの発表も、それぞれのチームでしっかり話し合ったことが伝わる内容で、会場全体がうなずきながら耳を傾ける時間となりました。

今回のイベントを通して

今回のイベントを終えて、多くの参加者から「街の見え方がガラッと変わった」という声が聞こえてきました。

車いすに乗って身体で感じた“移動の難しさ”や“少しの段差が壁になる感覚”。
それらは、知識として知っているのと、実際に体験することではまったく違います。
その気づきを共有し合えたことが、共生社会に近づくための大きな一歩になりました。

さらに、地域の企業や飲食店、施設との連携の中で、
「自分も街づくりの一員なんだ」と感じられる時間にもなりました。

これからも――
知る・ためす・おもう。
その積み重ねが、この街の未来を少しずつ優しく変えていくはずです。

すでに次回の開催も検討中とのこと。
今回参加できなかった方も、またぜひご一緒しましょう。


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この記事を書いた人

TSUNAGuuu(つなぐー)編集部です。この街の魅力をざっくばらんに発信していきます。

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